Sunday, June 14, 2026

DELL 一体型のPCの液晶パネルを使ってDIY

今回は珍しくハードウェア関連のお話です。


以前、画面に物を落として液晶を割ってしまった「Dell Inspiron 24」をお預かりしたときのこと。当時はかなり体調を崩していて頭が回らない状態だったのですが、なんとか分解して液晶の型番(LM238WF2(SS)(P2))を調べ、パーツを発注しました。……が、なぜか2枚も注文してしまっていたのです(笑)。


無事に修理は完了したものの、手元に1枚余ってしまいました。せっかくなので遊んでみようと思い、その液晶に適合する液晶コントロールボードを(これまたなぜか)2セット注文。

(パーツは AliExpress の[こちらのリンク https://ja.aliexpress.com/item/1005006139636727.html?channel=twinner]のものです。ユーザーレビューに写真も掲載しています)


そして、今度はコントロールボードが1セット余る事態に……。


それから1年近く眠らせていたのですが、今回「Dell Inspiron 27 (7710)」のマザーボードが故障し、通電しなくなったPCが入ってきました。データだけを救出して本体は廃棄することになったため、「また液晶パネルを再利用できないか」と、適合するコントロールボードを探し始めました。


そこでふと気づいたのです。同世代の Inspiron 24 と 27、画面サイズこそ違えど解像度は同じ(FHD)。2つのパネルのデータシートを調べて比較してみると、接続コネクタの系統、ピンアサイン、さらに動作電圧まで全く同じに見えます。「もしかして、手元に余っているコントロールボードがそのまま使えるのでは?」


気になって、2つのデータシートの数値を元にGeminiに相談してみたところ、「最悪映らない可能性はあっても、ピンアサインと電圧が同じなら壊れる心配はありませんよ」との回答が。


これは期待大!ということで、翌日さっそくコントロールボードを仮組みし、ノートPCとHDMIで接続してみました。

最初、PC画面の「複製(ミラーリング)」で出力したときは、画面の両端が少し黒く余ってしまい「ありゃ〜、そう来たか……」と思ったのですが、「拡張画面」に設定を変更したところ、ばっちり全画面で表示されました!


【今回の液晶パネルの仕様】

23.8インチ: LM238WF2(SS)(P2)

27インチ: LM270WF7-SSF2 

どちらも信号側・電源側のピン数やコネクタの位置が同じで、結果としてLM238WF2(SS)(P2)用のコントロールボードがそのまま27インチパネルにも兼用できた、という大満足なDIYのお話でした。

Monday, June 01, 2026

【トラブルシューティング】Proxmox VE 9系でASM1166パススルーが原因でTrueNASが起動せずホストがハングする問題

 前回構築から1ヶ月ほど経過した頃、管理しているシステムでエラーが発生。Proxmox側で dmesg を確認すると、ログが書き込めずファイルロックが発生している形跡があり、AIに相談したところ「SSDの初期不良・ハードウェア起因のトラブル」との見立て。最悪の事態を避けるため、週末に実機をお預かりしてSSD交換対応を行うことになりました。

1. 新規インストール後の謎のハングアップ

幸いにも、稼働中にVMのバックアップはすべて正常に取得できていました。 移行先として新しいSSDを換装後、従来と同じ構成にするため新規にProxmoxをインストール。ASM1166(6port SATA PCIeカード)のパススルー(Passthrough)を設定し、バックアップからTrueNASのVMを復元して起動を試みました。

しかし、ここでトラブルが発生。TrueNASが起動しないだけでなく、Proxmoxホスト全体に極端な高負荷がかかり、コマンド受付不可・再起動すらできないハングアップ状態に陥ってしまいました。

2. 原因はProxmox VE 9系(新カーネル)の仕様変更

元のSSD(アップデート未適用)では旧バージョンで正常に動いていたため、元のSSD側でProxmoxのパッケージ一括アップデートを試したところ、同じハングアップ現象が再現。 詳しく確認すると、アップデートによってKernel(PVE 9系)のバージョンが上がっていたことが原因だと判明しました。

試しにProxmoxのブートメニュー(Advanced options)から古いカーネルを選択して起動したところ、TrueNASは何事もなかったかのように正常起動。ASM1166のパススルー処理が、新しいカーネルの挙動と競合していることが浮き彫りになりました。

3. 解決策と応急処置

今回は作業時間の猶予がなかったため、一度実績のある Proxmox VE 8.4 を再インストールして環境を復元し、無事に安定稼働を確認して納品としました。

その後さらに調査を進めたところ、海外のフォーラム等でも同様の報告を発見。 PVE 9系のカーネル環境においてASM1166などのSATA拡張カードをパススルーする場合、**VM(TrueNAS)側のハードウェア設定(PCIeデバイス)にある「RomBar(ROM-Bar)」のチェックを外す(rombar=0 にする)**ことで、ハングアップを回避して正常起動できる仕様とのことでした。

今回は現地での再検証時間がなかったため、今後の自動アップデートでカーネルが意図せず更新されないよう、以下のコマンドで現在の正常なカーネルを固定(ピン留め)して対策完了としました。

proxmox-boot-tool kernel pin <動作確認済みのカーネルバージョン>

同様の構成(PVE9 + ASM1166パススルー)でVM起動時にホストごとフリーズする場合は、まず「RomBar」の設定を疑ってみることをおすすめします。

Wednesday, May 13, 2026

NASのOS選びと、Proxmoxを活用した現場での「一石二鳥」な解決策

 NASは結局・・・


まあ、時代が移り変わるように、NASのOSもまた変わりゆくもので……(笑)。


相変わらずSynologyのNASがメインではありますが、以前試していたZimaOSはやめました(;^ω^)


たまたまネットで見かけたNAS用OSの紹介で、TrueNASというものがあったので、今回はこちらを試してみることに。

コミュニティ版をProxmox上の仮想環境に入れて構築しました。

インターフェース自体はSynologyの方が直感的で分かりやすい気もしますが、いざ設定してみると共有設定もすんなりOK。


ちょうど仕事でNAS構築の依頼が来ていたので、テストを兼ねてSynologyと一日一回FTPで同期をとるように設定してみました。

スナップショットの設定も細かくできるし、インターフェースに慣れてしまえばこれはすごく良いですね!


自分でもすっかり気に入ってしまい、別の余っていたPCにもTrueNASをインストール。

転がっていたHDD×2枚 + キャッシュ用に余っていたM.2 SSD 128GB、さらにOS用にSSD 128GB、バックアップ用に2TBのHDD×1……といった構成で組んでみました。

そのPCにはM.2スロットがなかったので、PCIeの変換ボードを使っています。


ちなみにTrueNAS同士の同期は専用機能で行いました。(おバカなことに、Synology → Proxmox上のTrueNAS → 物理TrueNASと、3台とも同じ内容が入っています)

使い始めて半月ほど経ちますが、どれも順調に動作しています。


TrueNASを仮想(Proxmox)ではなくPCに直接入れた個体を作ったのは、CPUやHDD/SSDの温度をダイレクトに確認したかったからです。

お客様用のPCにはProxmox上にTrueNASを入れていますが、こちらは6ポートのSATAカードを刺し、Proxmox側でPCIeパススルーの設定をしてTrueNASに直接認識させています。これでRAID用HDDの温度もしっかり確認できるようになりました。


さて、先ほどのお客様の話なのですが……


去年、VPNの接続方式を変更するためにルーターを新調していただいたんです。

繋がること自体は問題なかったのですが、どうしても解決できない問題が発生。メーカーに問い合わせても解決策が見つからず悩んでいたところ、結局、自分が選んだVPNルーター(クライアント側)の融通が利かないことが判明しました。


そこで別の方法を検討。

一昨年あたりから、Windows 11未対応で引き上げていたWindows 10のPCが溜まり始めていたので、それにProxmoxを入れ、VPNゲートウェイとして仕立てて支店2か所に設置しました。

これで問題は無事に解決!……となったのですが、その際、「Proxmoxなので、ついでにNASも動かせますよ」とサラッとお話ししたところ、翌日に「見積もり出して!」とお電話が。


自分も「え〜〜本気?」と思いながら(笑)、早々に見積を提出。

即注文をいただき、すぐに部品手配に入りました。

PC本体は中古の第6世代i5。OS用にSSD 256GB、RAID用にはそれほど容量がいらないとのことだったので、1TBのHDD×2を手配しました。


ただ、長時間運用なのでHDDの温度も管理したいと考えたのですが、標準の構成(マザーボード直結)だとProxmox上のTrueNASからは温度が認識できないことが分かり、慌てて調査。

先述の通り、PCIeのSATAカードを別途用意してパススルーすれば確認できることが判明。部品代で少し持ち出しにはなりましたが、その方法で構築しました。


部品も揃い、構築も順調。

本店のデータを依頼のあった支店Aにすべて転送し、その後の運用を確認したところ、


支店Aのデータを本店のNASにバックアップしたい


支店Bからも、VPN経由で「支店AのNAS」と「本店のNAS」の両方にアクセスしたい

とのこと。


問題は、納入済みの各支店のVPNルーターでは「2か所同時接続」ができないタイプだったこと……。

ここで役に立ったのが、やはりProxmoxです!

VPNはWireGuardを使っているので、LXCコンテナの「turnkey-wireguard」でサクッと設定。

後のメンテナンス性を考え、同じコンテナを「支店A用」と「本店用」で2つ作り、これで同時に2拠点へのVPN接続が可能に!

あとはルーターにスタティックルートを書き込めば完了です。


こういうパズルみたいなネットワーク構築は、やっていて楽しくなっちゃいますね。

最初にSynologyとのバックアップにFTPを使ったのは、本社のNASが古くてFTPしか受け付けてくれなかったからなのですが、最終的にやりたいことがすべて実現できたので大満足です!


今回の内容に参照したサイトと一部のパーツのURLを下記に入れてます

資料

TrueNas紹介記事

 https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/feature/2105357.html

TrueNasのサイト

 https://www.truenas.com/

PCIe M2.のボード (750円とめちゃ安い!)

 https://www.amazon.co.jp/dp/B0D9NCCXH2?ref=ppx_yo2ov_dt_b_fed_asin_title&th=1

お客様のPCに使ったPCIeのSATA6ポートカード

 https://www.amazon.co.jp/dp/B0CPC2YLBJ?ref=ppx_yo2ov_dt_b_fed_asin_title&th=1

Proxmox VEにTrueNAS Scaleをインストール

 https://qiita.com/flathill/items/fc382d3076fe4eb94ef7

ProxMoxのVMでTrueNASはraidを組む時、仮想HDD にはシリアルナンバーを付けないと設定できない

   https://kirishima.it/mt/2025/11/pve_hdd_serial.html

ノートPCでふたを閉じてもスリープさせない設定

  https://note.com/major_marten009/n/n8267f32537b1


Sunday, March 29, 2026

Synology OSからZimaOSへ?Proxmoxで広がるNASの楽しみ

 


NASといえば、現在は手持ちのPCにSynologyのOSをインストールして、とても便利に活用しています。 ただ、OSの更新が曲者で……。アップデートのたびに起動用USBメモリの再構築が必要になるなど、毎回ビクビクしながら更新ボタンを押しています(最近のアップデートはなんとか成功しました!)。

何がそんなに便利かというと、やはり各種クラウドのバックアップ機能が最高です! OneDrive、Google Drive、Box、Dropbox……これらを一括で管理できるのは本当に助かります。Megaが非対応なのが唯一の心残りですが。 最近ではProxmox上のPop!_OSへ、NASの内容を毎日バックアップする設定も追加しました。

そんな中、本日たまたまYouTubeで「ZimaBoard 2」と、そこで動くZimaOSの紹介動画を見かけました。 

https://www.youtube.com/watch?v=3Guc7wBSkjk

そのOSの画面がとても使いやすそうで、「これ、ハードを買わなくても手持ちの環境で試せるのでは?」と思い調べてみたところ……ありました! https://note.com/heavywisteriasix/n/nb61eaa834f86

なんと、ZimaOSもProxmox上で動かせるようです。 さっそくGitHubの解説動画を参考にしながらインストールしてみたところ、驚くほど簡単に完成してしまいました! 今のところは「立ち上げること」自体が目的になってしまい、実際のデータ保存までは手をつけていませんが(笑)。

いつも思うのですが、検索すればすぐに先駆者様の知恵や功績に触れられるのは本当にありがたいことです。 うまくいかない時はすぐに諦めてしまいますが、案外すんなり成功することも多いのが、この趣味の楽しいところですね。