Monday, June 01, 2026

【トラブルシューティング】Proxmox VE 9系でASM1166パススルーが原因でTrueNASが起動せずホストがハングする問題

 前回構築から1ヶ月ほど経過した頃、管理しているシステムでエラーが発生。Proxmox側で dmesg を確認すると、ログが書き込めずファイルロックが発生している形跡があり、AIに相談したところ「SSDの初期不良・ハードウェア起因のトラブル」との見立て。最悪の事態を避けるため、週末に実機をお預かりしてSSD交換対応を行うことになりました。

1. 新規インストール後の謎のハングアップ

幸いにも、稼働中にVMのバックアップはすべて正常に取得できていました。 移行先として新しいSSDを換装後、従来と同じ構成にするため新規にProxmoxをインストール。ASM1166(6port SATA PCIeカード)のパススルー(Passthrough)を設定し、バックアップからTrueNASのVMを復元して起動を試みました。

しかし、ここでトラブルが発生。TrueNASが起動しないだけでなく、Proxmoxホスト全体に極端な高負荷がかかり、コマンド受付不可・再起動すらできないハングアップ状態に陥ってしまいました。

2. 原因はProxmox VE 9系(新カーネル)の仕様変更

元のSSD(アップデート未適用)では旧バージョンで正常に動いていたため、元のSSD側でProxmoxのパッケージ一括アップデートを試したところ、同じハングアップ現象が再現。 詳しく確認すると、アップデートによってKernel(PVE 9系)のバージョンが上がっていたことが原因だと判明しました。

試しにProxmoxのブートメニュー(Advanced options)から古いカーネルを選択して起動したところ、TrueNASは何事もなかったかのように正常起動。ASM1166のパススルー処理が、新しいカーネルの挙動と競合していることが浮き彫りになりました。

3. 解決策と応急処置

今回は作業時間の猶予がなかったため、一度実績のある Proxmox VE 8.4 を再インストールして環境を復元し、無事に安定稼働を確認して納品としました。

その後さらに調査を進めたところ、海外のフォーラム等でも同様の報告を発見。 PVE 9系のカーネル環境においてASM1166などのSATA拡張カードをパススルーする場合、**VM(TrueNAS)側のハードウェア設定(PCIeデバイス)にある「RomBar(ROM-Bar)」のチェックを外す(rombar=0 にする)**ことで、ハングアップを回避して正常起動できる仕様とのことでした。

今回は現地での再検証時間がなかったため、今後の自動アップデートでカーネルが意図せず更新されないよう、以下のコマンドで現在の正常なカーネルを固定(ピン留め)して対策完了としました。

proxmox-boot-tool kernel pin <動作確認済みのカーネルバージョン>

同様の構成(PVE9 + ASM1166パススルー)でVM起動時にホストごとフリーズする場合は、まず「RomBar」の設定を疑ってみることをおすすめします。

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